拉致問題の解決「世論が不可欠」 救う会会長講演 松山
北朝鮮人権侵害問題啓発週間(10~16日)に合わせ、愛媛県主催の「拉致問題を考える研修会」が14日、県庁であった。拉致被害者家族の支援組織「救う会」の西岡力会長らが講演し、問題解決には世論の後押しが欠かせないと訴えた。
西岡会長は「北朝鮮に圧力をかけて話し合いの場に引き出すことは一定程度成功した」とし、拉致問題は新たな段階に入っていると指摘。全被害者の帰国を最優先に「今の強い制裁圧力を使い、被害者を取り戻す実質的な協議を求めていく時だ」と語った。
そのためには「一括全員帰国は絶対に譲歩できないと、日本中から怒りの声を示さないといけない」と力を込めた。
県内特定失踪者、山下綾子さん(今治市出身)のいとこ長島清志さん(82)は「こんなに悲しいことがこんなに長く続くとは思わなかった」と語り支援を要請。大政由美さん(伊予市出身)の母悦子さん(75)は「(北朝鮮が拉致問題の再調査を約束した2014年の)ストックホルム合意のニュースが流れ、救出を期待した後に失望した人たちの心の内を想像してください」と呼び掛けた。